海外バイヤー向けの価格設定は、国内卸価格とは異なります。
輸出企業が提示するのは「輸出価格」です。輸出価格の算定には下記の項目を考慮し、価格を決める必要があります。
例:
1.商品の生産代金または仕入れ価格
2.国内運送費用+会社(輸出企業)から港までの輸送費用
3.輸出通関費用
4.輸出税関検査費用
5.輸出港~輸入港への船賃
6.海上保険金
7.生産者の利益
8.原産地証明書発行費用、その他の費用
海外で販売されている小売価格を、4や5で割って計算した金額を日本側の輸出価格に設定すると契約が成立しやすいと言われているルールになります。
例えば、現地(海外)スーパーでリンゴ1個を500円で販売しようと考えるなら、少なくとも日本側の輸出価格を100円より安くなるように設定しないと、海外での販売は難しいとの判断ができます。
[輸出価格設定の計算式]
500円÷5=100円
インコタームズ(Incoterms/International Commercial
Terms)とは、国際商業会議所(ICC)が貿易取引における費用負担、範囲などの取引条件を定めた国際規則です。世界で最も広く採用されるもので、1936年に制定されて以来、数次にわたって改正が行われ、直近では2020年1月に改正されました。
インコタームズの狙いは、各国で異なる貿易取引条件の解釈について、誤解や行き違いを回避することです。
貿易取引では商品自体の代金に加え、運送料、保険料、通関費用、関税など、さまざまな費用が発生しますが、輸送時に起こる様々なリスクについて、費用を誰がどの範囲まで負担するかがインコタームズに明記されています。
詳しい内容は、下記よりご確認ください。
https://www.jetro.go.jp/world/qa/J-200309.html
インコタームズでは、輸出関連費用は EXW以外(例:FOB、FCAなど)は全て輸出者が負担します。
EXW(Ex
Works):インコタームズの取引条件の一つで、売主は、自己の施設またはそのほかの指定された場所にて貨物引渡責務が完了します。全ての費用・リスクは買主が負担し、輸出通関も買主手配となります。
FOB(Free On
Board):インコタームズの取引条件の一つで、売主は、貨物を買主の指定本線に積み込まれた時点で、引渡責務は完了し、その後の全ての費用・リスクは買主負担となります。
FCA(Free
Carrier):インコタームズの取引条件の一つで、売主が買主に指定した運送人に貨物を引渡した時に引渡責務は完了し、その後の全ての費用・リスクは買主負担となります。
通関書類には次のものがあります。
・インボイス(仕入書)とは「いつ、誰から、何を購入したのか?」を証明する書類です。
インボイスには明細書、納品書、請求書の役割があります。
・パッキングリスト(梱包明細書・略称P/L)
梱包ごとの内容、正味重量、総重量、容積、荷印などを記載した書類です。
・アライバルノーティス
船会社(フォワーダーや代理店含む)が港に入港する前日または数日前に発行する「貨物の到着通知書」のことです。
・B/L(船荷証券)簡単にいうとB/Lとは貨物の引換券のような役割があります。貿易取引上で一番重要な書類の一つになります。
・原産地証明書など
輸出の見積もりを依頼する際は、下記の内容をお伝えください。
・Shipper(輸出者)住所、電話番号、fax番号
・Consignee(送り先)住所、電話番号、fax番号、担当者名など中国へ輸出の場合は、荷受人の企業コード(USCC)が必要です。
・各数量・各金額・総重量・正味重量・決済条件・貿易条件その他必要な項目は都度確認させていただきます。
HSコード」は、「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding
System)に関する国際条約(HS条約)」に基づいて定められたコード番号です。
2016年7月現在、世界税関機構(WCO)が管理している同条約には、日本をはじめ153の国及びEUが加盟しています。
また、非加盟国であってもHSコードを使用している国と地域があり、それらを含めると200以上の国と地域がHSコードを使用しています。
詳しく内容は下記よりご確認ください。
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-010701.html